交配の成立(受精)とともに雌マウスの体内深部温度のゆらぎに生じる変化について詳細に調べた研究成果がApplied Sciences誌に掲載されました。受精後5日間の体内深部温度の変動は、ヒト生殖補助医療における体外培養期間(体外受精から胚盤胞へ発育するまでの5日間)に相当します。受精卵にとって本来あるべき自然な環境は、受精卵にとって最も優しい温度のゆらぎである可能性が高いと考えられており、受精卵の新しい培養法の開発に繋がることを期待しています。
Yoshinobu Murayama, Tomoki Abe, Zunyi Tang "Temperature Dynamics in Early Pregnancy: Implications for Improving In Vitro Fertilization Outcomes" Applied Sciences, vol.14, no.16, article number 7392, 2024 「卵管内の動的環境を模倣して胚発育を促進する胚培養技術」と題して総説を寄稿しました。胚発育にとって最も良いとされる卵管内の自然な環境は動的であり、シェアーストレスや温度変化など様々な刺激を与えているため、現在主流とされている静的な体外培養環境とは大きく異なります。卵管の動的環境を模倣する新しい培養デバイスは、胚の発育を促進させ、妊娠率を向上させる可能性があることを総説としてまとめました。
村山嘉延、卵管内の動的環境を模倣して胚発育を促進する胚培養技術、別冊BIO Clinica vol.13 no.1, pp.85-89, 2024 Yoshinobu Murayama, "Embryo culture systems that improve embryonic development by mimicking the dynamic environment of the oviduct", BIO Clinica vol.13 no.1, pp.85-89, 2024 米国ジョージア工科大学 Prof. Shuichi Takayama研究室における共同研究テーマのひとつである、マイクロ流体デバイスを用いて肺水腫の気道上皮細胞損傷モデルを作成した研究成果が学術誌Lab on a Chipに掲載され、雑誌表紙にも採用されました。
Hannah L. Viola, Vishwa Vasani, Kendra Washington, Ji-Hoon Lee, Cauviya Selva, Andrea Li, Carlos J. Llorente, Yoshinobu Murayama, James B. Grotberg, Francesco Romanò, Shuichi Takayama "Liquid plug propagation in computer-controlled microfluidic airway-on-a-chip with semi-circular microchannels" Lab on a Chip, vol.24, pp.197-204, 2024 スウェーデン、ルーレオ大での研究内容が、ようやく論文になりました!
Stefan Candefjord, Yoshinobu Murayama, Morgan Nyberg, Josef Hallberg, Kerstin Ramser, Anders Bergh and Olof Lindahl "Combining Fiber Optic Raman Spectroscopy and Scanning Haptic Microscopy for Tissue Characterization" Medical & Biological Engineering & Computing, 2012, 印刷中 |
|